
あんなに頑張ってきたのに、朝からずっと毎日、オレはどうなってしまったんだろう ? これからどうしよう ? 今日は何しよう ? そんな気持ちになっていたとしても大丈夫です。私もそうでしたが、多くの定年退職者が感じている、いわばお仲間ばかりなんですからね。
その「つらさ」は、あなたが一生懸命働いてきた証拠
定年を迎え、数ヶ月。最初は解放感に浸っていたけれど、ふと気づくと、今日も誰とも一言も話していない……。
窓の外では、趣味のサークルやランチへと元気に飛び出していく妻の姿。それを見送った後、静まり返ったリビングで一人座っていると、「自分は社会から必要とされていないのではないか」と、負のスパイラルに陥ってしまう。
もし、今あなたがそんな「つらさ」を感じているなら、まずこれだけは知っておいてください。その孤独感は、あなたがこれまで長年、「組織」や「仕事」という場所で、誰かのために、社会のために必死に責任を果たしてきた証なのです。
場所が変わった直後の戸惑いは、あって当然ですよ。無理に元気になろうとしなくて大丈夫です。まずは、その心境を整理することから始めてみませんか。
1. なぜ、定年後の男性は「孤独」を感じやすいのか
男性が定年後に孤独を感じるのには、明確な理由があります。
- 「役割」を失った喪失感: 会社での肩書きや役割が、これまでの自分のアイデンティティだったため、それがなくなると「自分は何者でもない」と感じてしまいます。
- 「目的」がない外出の難しさ: 多くの男性は、仕事という「目的」があって外に出ていました。「ただ楽しむために出かける」ことに慣れていないため、家から一歩踏み出すハードルが高くなってしまうのです。
- 比較の罠: 長年、家庭や地域を守ってきた妻は、すでに多くの「点(コミュニティ)」を持っています。それと、今「点」を失ったばかりの自分を比べるのは、ルールが違うゲームをしているようなものです。
2. 心を元気にするための「小さな一歩」:無理に交流しなくていい
「地域活動に参加しましょう」「新しい趣味を見つけましょう」 そんなアドバイスを耳にするたびに、余計に気が重くなっていませんか? 孤独がつらいときに、いきなり見知らぬ輪に飛び込むのは、実は逆効果なこともあります。
まずは、「自分一人でも完結できる、小さな秩序」を作ること。それが希望の芽になります。
ステップ1:家の中に「自分の聖域」を作る
リビング全体が妻のテリトリーに感じてしまうなら、家中の一角で構いません。自分の本、自分のパソコン、自分の椅子。そこだけは自分の「職場」であると定義し、身の回りを整えることから始めます。
ステップ2:毎日決まった時間に「外の空気を吸う」
誰とも話さなくていいのです。ただ、決まった時間に靴を履き、外に出る。 近所の公園まで歩く、あるいはコンビニへ新聞を買いに行く。 (💡ここがポイント) すれ違う人に「挨拶をしなければ」と力まないこと。ただ、「自分は今、社会の中に存在している」と肌で感じるだけで、脳のスイッチは少しずつ切り替わります。
ステップ3:植物や「命」と触れ合う
以前の記事でもお話しした「ベランダ菜園」のように、自分がいなければ枯れてしまう命、自分の世話に反応してくれる存在を持つことは、驚くほど孤独感を癒やしてくれます。
3. 「一人の時間」を「自由な時間」に書き換える
「一人でいること」は、決して「寂しいこと」と同義ではありません。 会社員時代、あれほど欲しかった「誰にも邪魔されない自由」が、今あなたの手の中にあります。
- 学び直し: 興味があった歴史、科学、あるいはAIの使い方。誰に報告する必要もありません。
- 一人旅の計画: 誰かと予定を合わせる必要も、気を遣う必要もありません。自分が行きたい場所へ、自分が行きたい時に行く。
62歳の時ですが、6歳まで過ごした生まれ故郷の小島に一人で旅行しました。佐世保から船で小一時間の小さな島です。見覚えのある坂道や桟橋、変わらない波の音、たったの二泊三日でしたけど一人旅だからこその自由な行動が取れたわけですし、誰も気にせず一人あの頃の自分と話も出来ましたよ。
「つらい」と感じるエネルギーを、ほんの少しだけ「これなら自分一人でも楽しめるかも」という好奇心に向けてみてください。
おわりに:明けない夜はない。あなたは、あなたのままでいい
定年後の孤独感は、人生の「衣替え」のようなものです。 新しい季節の服がまだしっくりこないだけで、時間が経てば、あなたらしい新しい「過ごし方」が必ず見つかります。
奥様と比較する必要はありません。あなたはあなたのペースで、今日一日の小さな楽しみを見つけるだけで、合格点です。
まずは明日、お気に入りの喫茶店を探しに出かけてみませんか? そこで飲む一杯のコーヒーを、「一人の自由」を祝う乾杯にしてください。 少しずつ、霧が晴れていくはずです。


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