定年後の生活を想像したときに誰もが思い描くのは、
趣味を楽しんだり、旅行に出かけたりと、
アクティブに過ごす自分の姿ではないでしょうか。
しかし、現実はどうでしょう。
身体に不調を感じ始め、思うように動けず、
やりたいことを諦めてしまう人も少なくありません。
私もその一人でした。
若い頃は、特に運動らしい運動をすることもなく、
身体の自由が利くことを当たり前のように思っていました。
30歳から始めたパラグライダーは、20kgもの機体を背負って山を登るため、
ある意味ではスポーツと言えるかもしれませんが、それ以外は特に何もしていませんでした。
当時は何とも思わなかったのですが、
70歳に近づいてくると、
少し無理をすると身体のあちこちが痛み始めるようになりました。
特に右の股関節が傷み始め、
以前のようにサッと歩けなくなり、一歩一歩が重く感じるようになりました。
健康寿命を縮める「負のスパイラル」
身体が痛むと、なおさら動くのが億劫になります。
「どうせ動いても痛いし…」
そんな気持ちが強くなり、家でじっとしている時間が増えました。
しかし、これが健康寿命を縮める「負のスパイラル」の始まりだったのです。
動かないことで筋肉は衰え、関節は硬くなり、さらに身体が動きづらくなる。
そして、また動くことを避ける…この悪循環に陥ってしまったのです。
今になって、若い頃に運動を習慣づけておくことの大切さに痛感しています。
身体が動くうちに、運動の必要性に気づく前に、
健康な身体を維持する習慣を身につけておくべきでした。
なぜ今から健康習慣を始めるべきなのか
厚生労働省のデータによると、
男性の平均寿命は81.05歳、
女性は87.09歳と、
日本は世界有数の長寿国です。
しかし、重要なのはただ長生きするだけでなく、
どれだけ健康な状態でいられるかを示す「健康寿命」です。
平均寿命と健康寿命の間には、男性で約9年、女性で約12年もの差があると言われています。
この差を埋めるために、私たちは何をすべきなのでしょうか。
それは、50代からでも遅くない「健康習慣」を始めることです。
運動嫌いな私でも続けられた「健康習慣」の秘訣
「運動は苦手」「汗をかくのは嫌」…そう思っている人もいるでしょう。
私もそうでした。でも、何も激しいスポーツや筋トレをする必要はありません。
大切なのは、無理なく、継続できることを見つけることです。
私が今、意識して取り入れているのは、以下のような小さな習慣です。
1日10分のストレッチ
朝起きたときや寝る前に、身体のあちこちをゆっくり伸ばすようにしています。
特に痛みのある股関節周りを重点的に行うようにしたところ、
少しずつですが痛みが和らぎ、歩くのが楽になってきました。
「ながら」運動
歯磨きをしているときにスクワットをしたり、
テレビを見ながら足踏みをしたり。
日常生活の中に運動を取り入れることで、無理なく続けられます。
意識して歩く
エスカレーターやエレベーターを使わず階段を上り下りしたり、
一駅分歩いてみたり。無理のない範囲で、歩く機会を増やすようにしています。
これらは、日々の生活の中で少しだけ意識を変えるだけで実践できることばかりです。
特別な道具もお金も必要ありません。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、とにかく「続けること」です。
楽しんで続けられる健康習慣を見つけよう
健康習慣を続けるための最大の秘訣は、「楽しむこと」です。
誰かと一緒に
友人や家族とウォーキングに出かけたり、
地域の体操教室に参加したり。
誰かと一緒に行うことで、モチベーションを維持しやすくなります。
趣味と結びつける
ガーデニングや散歩、写真撮影など、
趣味を通して自然と身体を動かすのも良い方法です。
目標設定
体重を減らす、体脂肪率を減らすなど、
具体的な目標を立てることで、やる気が持続します。
今がスタート地点
人生100年時代、定年はゴールではなく、
新しいスタート地点です。
身体が動かなくなる前に、
健康な身体を維持する習慣を身につけることが、
定年後もイキイキと過ごすための鍵となります。
「運動は苦手」と諦めずに、まずは小さな一歩を踏み出してみませんか?
今日から始める小さな習慣が、10年後、20年後のあなたの未来をきっと変えてくれます。
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